子どもが生まれるのを機に、ご主人の実家の建て替えを決めたIさんご夫婦。念願の新築ができると喜んでいたところ、接道の問題で新築は不可能とわかり、目の前が真っ暗になったと言います。「住み慣れた地域で新生活をスタートしたかったので、別の場所に土地を探すつもりはありませんでした。じゃあどうしよう?と悩んでいた時に、妻の両親が交流のあったエコフィールドさんから、構造の骨組みだけ残して新築同様に改修するフルリノベーションという方法を提案してもらいました」。とはいえ、当初は一般的なリフォームの印象が強く、やはり古い部分が残ってしまうのかなぁという不安はあったそうです。しかし、十数回にも及ぶ打ち合わせでご夫婦のライフスタイルや住まいへの要望をきめ細かく確認し、それを隅々にまで反映させた設計プランを見た時に、Iさんたちの不安はほぼ消えたと言います。「広い空間や陽当たり、風通しの良さに加えて、耐震性や断熱性も新築同様のレベルになると聞き、これならリノベーションでも大丈夫だと、安心してお任せすることにしました」。

工事中は、たびたび現場を見に来たというIさん。「素人が見ても、数年前に改修した屋根と主な柱だけを残しての建築工事は、新築より手がかかって大変そうだなぁと思いました。柱のズレなども丁寧に調整している様子を見て、なおさら祖母から受け継ぐこの家を大切にしたいと思いました」。完成した新居は、どこからどう見ても新築と変わらない見栄え。室内で唯一残っているのは、以前の台所と居間の仕切りの柱だけです。「家が新しくなると気分がこんなに変わるんだと、日々実感しています。特に一番変わったのは、主人がキッチンに立つ機会が増えたことです」と、奥様は嬉しそうに語ります。「狭いアパートの時は、二人でキッチンに立つことはなかったのですが、今は広々としているので私と一緒に料理を作ってくれたり、休日は夫の友達を招いて、手の込んだ肉料理などをふるまってくれます。主人に料理を任せて、私は子どもとのんびり遊ぶことができるので、家族みんなの笑顔が増えました」。

また、目に見えない部分でも快適性がぐっとアップしているそう。「以前はよく聞こえていた国道を走るトラックの音や雨の音が、今はほとんど聞こえません。それだけ防音性が優れているんです。窓から見える景色は以前と変わらないのに、家の中の快適さはまったく違う。この心地よさは、リノベーションしてみないとわからないことですね」。現在、ご主人のおばあさま、お母様は市内にある別の住まいとこの家を行ったり来たりしており、介護が必要になっても大丈夫なようにトイレや浴室はバリアフリーにし、階段の傾斜もゆるやかにするなどの工夫を施しています。「古い家には祖母や母の荷物がたくさんあったのですが、家を取り壊す際にそれも思い切って整理できてよかったです」。最近は実家の片付けが大変という声をよく聞きますが、なるほど、思い切ってのリノベーションは断捨離にも役立つようです。

当初の夢だった新築を事情により断念し、フルリノベーションを選択したIさんご夫婦。「家ができるまでは不安もありましたが、今となっては、最良の選択ができたと思っています。新築可能な別の土地を探すという選択肢もありましたが、子どもの通園通学などを考えた時、何も面識のない土地に住むのには抵抗がありました。それに、いずれは祖母や母が一緒に住むことも想定しているので、馴染みのある土地でそのまま暮らすほうがいいだろう、って」と、ご主人。さらに奥様も「この家に来て、本当にリノベーションなの?と驚く友人が多いんです。エコフィールドさんの優れた設計、建築の技術力があるからこそできたものだと思うので、リノベーションに興味があるならエコフィールドさんに相談するといいよ…と勧めています(笑)」。

最後にこれから家を建てる方へのアドバイスとして、「自分たちが家を建ててみて、最近のリノベーション技術がとても進化していることを実感しました。私たちのように実家を改修すれば、新築同様の家が土地代なしで手に入るのも大きなメリットです。新築を考えている方も、その選択肢のひとつにフルリノベーションを加えてもいいのではないでしょうか」。新しい家は耐震性や断熱性も古い家の3倍以上の強度とのことで、将来ずっと安心して暮らせるのも大きな魅力。「子どもが大きくなったら、この家は、ひいおばあちゃんの代からここにある、家族代々受け継いでいる大切な家なんだよと伝えたいですね」。

取材・文 Runaword 増渕礼子